今回は慢性痛について説明したいと思います。
痛みには、「急性痛」と「慢性痛」という異なる病態の症状がありす。
急性痛は患部の原因を解決すれば症状は改善します。患部だけ治療しても、改善しないのが慢性痛です。
たとえば、左の膝に痛みを訴えている慢性痛の患者さんを治療すると…
「左膝の具合はいかがですか?」「右膝が痛いです」
今度は右膝を治療すると…「腰が痛いです」
このように痛みの場所があっちこっちに移ってしまう…
実際には、痛みが移っているのではなく、痛みを脳と中枢神経が記憶してしまっているので、中枢神経に入ってくる電気信号が、痛みの信号に変わって認識されてしまうのです。
これが慢性痛の特徴です。
いくら患部を治療しても効果がありません。
痛みの電気信号は、一定期間脳に入り続けると、痛みの神経回路が可塑的変容をおこし痛みの伝達路が常に活性化されている状態になってしまいます。
こうなると本当に治療が大変……。このような状態にならない為には、痛みの電気信号を早い段階で止める事。つまり、早期治療が重要です。
次回は、痛みと情動について書き込みたいと思います。