片頭痛は、日本の成人約8%がかかっていると言われている発症頻度の高い疾患で、特に20~50代の女性に多くみられる事から月経との関係性があるとも言われています。
片側が痛むので片頭痛という名称ですが、両方の側頭部に痛みがでるケースもあり、約4割近くの片頭痛は両側性といわれています。
痛みは側頭部~こめかみ辺りにズキズキと脈打つような拍動性の痛みや、頭を動かした時に痛みが増幅したり、めまいや吐き気を伴う場合もあります。
目がチカチカしたりする視覚症状を訴えるケースや匂いや音に敏感になる事もあるようです。
片頭痛の原因
片頭痛は「何らかの原因で脳の血管が拡張することで、周囲の三叉(さんさ)神経を刺激し、炎症物質がさら分泌され片頭痛を発症する」と言われていますが、実際に片頭痛の患者さんの側頭部を触診すると、硬くなった組織をみつける事が出来ます。
そして治療中に緊張が緩むと痛みはなくなり、患者さんからは「痛みが消えてなくなった」と言われた事があります。
つまり側頭筋などの筋肉が緊張→血行不良→血管拡張(痛み物質の分泌)→片頭痛の発症。このようなメカニズムではないかと考えています。
側頭部が緊張し片頭痛を発症してしまうトリガーになるものとしては、ストレスや気圧の変化、顎関節周辺の緊張などがあります。
特に強いストレスを感じると、脳内神経伝達物質「セロトニン」の分泌量の増減に影響し、血管の過剰な拡張と収縮が原因でズキズキと拍動を打つような頭痛の原因ではないかとも言われているのです。
片頭痛その他の原因
上記以外にも片頭痛が発生する原因はあります。どのような原因があるのか紹介いたします。
薬物の乱用による片頭痛
アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛剤などの薬を常用することで起きてくる頭痛です。ひとつの基準としては月に15日以上頭痛薬を服用している場合に薬物乱用頭痛と診断されるようです。
頭痛薬等の鎮痛薬で痛みは一時的に軽減しても、交感神経は更に興奮状態になり血管が収縮し、血管を拡張する為のホルモン(痛み物質)が分泌され、また頭痛が発症するという負のループが起きているのではないかと考えます。
食べ物が原因の片頭痛
チーズ、チョコレートなどに含まれるチラミンやタンニンは交感神経を興奮させ、片頭痛の原因となる事があります。 また、ワインに含まれている防腐剤も同様です。
チーズやワインといった飲食物が原因で片頭痛になる場合は、基本的に原因について自覚出来ますし、片頭痛の原因になるような物を避ければ良いだけなので、あまり深刻に考える必要はないかと思います。
その他の原因
脳出血や感染症等の二次性頭痛と言われる脳や頭に病気が原因で発症する片頭痛もあります。
症状としては、今までに経験のない程の激痛や意識障害などを伴う事があるので、今までの頭痛とは何か違うと感じた場合は、専門医のところで診てもらう必要があります。
まとめ
片頭痛は緊張性頭痛と比べて繰り返し発症するケースが多く、原因となっている部位を特定するのが難しい事もあります。頭痛の原因部位が触診で特定出来れば、繰り返す片頭痛がおこらなくなる事も多々あります。
頭痛薬では根本の原因は改善しませんので、薬に頼らず正しい知識と精度の高い触診技術がある専門家に相談しましょう。